三菱電機グループヘルスプラン21(略称:MHP21)
生活習慣 変えてのばそう 健康寿命
MHP21とは
健康の保持増進は、従業員およびその家族が将来に亘り幸せな生活を送っていくためにかかせないものであるが、企業活動にとっても企業の活力を維持し、創造性を発揮する上で不可欠で重要な経営基盤である。また、医療費の増大は、医療システムを支える健康保険組合の保険料増加に繋がり、従業員・企業双方に影響を及ぼす。人口減少社会が本格的に到来した国内においては、国民の健康の保持増進は社会の活力維持のためにも大きな課題となっており、企業の健康経営の社会的意義は一層高まっている。
これらの認識から三菱電機グループでは他社に先駆け、会社・労働組合・健康保険組合の三者協働事業として「生活習慣 変えてのばそう 健康寿命」のスローガンのもと、2002年度から「MHP21活動」に取り組んでいる。MHP21活動は、一人ひとりができるだけ早い時期から食生活・運動・休養・嗜好等の生活習慣を見直し、生活習慣病を予防して「QOL(Quality of Life)」向上と「健康企業」の実現を図ることを目的としてスタートし、ステージⅠ(2002~2011年度)を経て、ステージⅡ(2012~2016年度)までグループ全体で大きな成果を上げている。
MHP21活動の継続にあたっては、経営戦略としての健康経営のプライオリティ向上、少子高齢化・人口減少社会を踏まえた健全・良質な労働力の確保、心身両面の健康保持増進、健保財政の健全性維持といったこれまでの状況の変化および活動の総括を踏まえ、課題の整理を行った。具体的な課題は、①目標達成に向けたトップリードの活動推進、②若年層や不活性層の底上げに向けた個別アプローチ強化、③家族の健康に資する活動強化、④関係会社の更なる活動活性化である。
2017年度より、MHP21ステージⅢとして新たな5年間の健康増進活動を開始しているが、ステージⅠからの長期的な成果を鑑みて、活動理念や目的などの基本的枠組について他の方向へ大きく舵を切らず、活動の底上げや、より実効性のある活動への見直しを行い、グループ一体となって取り組んでいく。
スローガン
- メインスローガン 生活習慣 変えてのばそう 健康寿命
- サブスローガン かしこく食べて、しっかり動いて、ココロもカラダもしなやかに
目的
- 従業員およびその家族の心身の保持増進
従業員の心身の健康は、家庭人・社会人としての個人の幸せづくり、並びに企業の活力維持、創造性発揮のベースであり、その家族が健康であることも、従業員が公私両面で充実した生活を送るためには必要不可欠であることから、「従業員とその家族の健康なくして充実した家庭生活・職業生活なし」との視点に立って活動を推進する。 - 労働生産性の維持・向上
企業における従業員の健康管理は、経営活動の最大の資源である人材の健全なパフォーマンスを維持することが目的である。一方、従業員も健康維持に努め、会社に対し良質な労働力を提供する責任を有する。本活動は労働生産性を維持・向上させ、企業業績の向上に資するとの経営的視点から、トップダウン・ボトムアップ双方からの活動展開を志向する。 - 医療費の抑制・適正化
国への納付金や保険給付費の増大等により、健保財政が長期的に悪化傾向にある中、今後も三菱電機グループとして健保を維持していくためには、健保財政の健全化が不可欠である。従業員や会社の立場からも、保険料(率)の更なる上昇抑制や、サービスレベル維持の観点から、生活習慣病等の一次予防を通じた健保財政健全化を意識する必要がある。
対象者
三菱電機グループ従業員およびその家族
実施期間
2017年度から2021年度までの5年間
推進機関
MHP21全体推進組織
委員長 | 人事部長(健保理事長) |
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副委員長 | 健保常務理事 |
委員 |
人 事 部(安全健康GR、全社統括産業医、安全衛生担当者) 健 保(事務局長、保健事業推進課) 労 組(安全衛生担当中央執行副委員長、中央執行委員) 関係会社(主要関係会社より都度選出) |
MHP21事業所推進組織
委員長 | 三菱電機場所長、関係会社社長 |
---|---|
副委員長 | 総務担当部長 |
委員 | 安全衛生担当課長、福祉担当課長、労組支部役員、MHP21推進リーダー、衛生管理者、産業保健スタッフ(産業医、保健師、看護師、カウンセラー等)他 |
目標
項目 | MHP21ステージⅢ 目標値 | |
---|---|---|
適正体重 (2021年度最重点項目) |
BMIが18.5以上25.0未満の者の割合 | 73.0%以上 |
運動習慣 | 30分以上/回の運動を2回/週以上、 または平均1万歩(1時間※1)以上/日歩行している者の割合 |
39.0%以上 |
喫煙 | 喫煙者の割合 | 20.0%以下 |
歯の手入れ | 3回以上/日の歯の手入れをしている者の割合 | 25.0%以上 |
睡眠 | 睡眠による休養が取れている者の割合 | 85.0%以上 |
- ※日常生活における歩数(約3,000~4,000歩)以外に、健康のために歩く必要のある時間(約6,000歩)1,000歩=約10分として計算
MHP21健康調査(生活習慣調査)結果
スタート前 | ステージⅠ | ステージⅡ | ステージⅢ | |||||||
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01年度 | 02年度 | 11年度 | 12年度 | 16年度 | 17年度 | 18年度 | 19年度 | 20年度 | 21年度 | |
適正体重 | 73.0% | 72.8% | 71.7% | 71.1% | 70.4% | 70.2% | 69.4% | 69.0% | 68.0% | 67.7% |
運動習慣 | 11.7% | 11.8% | 16.2% | 23.3% | 24.1% | 24.7% | 25.2% | 26.1% | 27.4% | 27.7% |
喫煙 | 40.0% | 38.3% | 27.6% | 27.0% | 24.7% | 24.0% | 23.5% | 22.8% | 21.7% | 20.8% |
歯の手入れ(※1) | 13.3% | 13.7% | 20.5% | 20.8% | 22.5% | 24.2% | 25.3% | 26.7% | 27.0% | 26.9% |
ストレスレベル(※2) | ― | ― | 71.7% | 50.5% | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
睡眠(※3) | ― | ― | ― | ― | ― | 67.0% | 66.8% | 66.4% | 71.5% | 68.7% |
- ※1:歯みがきだけを意味せず、ブラッシング・歯間ブラシ・口腔リンス等による手入れを含む
- ※2:MHP21健康調査のストレスチェックによるストレス影響度で評価
07年度から外部EAPを導入したことに伴い、心の健康調査内容を変更
16年度からストレスチェックの法制化に伴い健保全体の結果は非公開 - ※3:MHP21ステージⅢ(17年度)から睡眠の調査項目を追加
目標値の解説
- 適正体重について
BMIは体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}で算出され、BMI25.0以上が肥満、BMI18.5未満がやせと判定される。各種疫学調査の結果、BMI22.0で生活習慣病の有病率が最も低く、BMI25.0以上又は18.5未満で急激に有病率が高くなることが知られている。 BMIは年齢が上がるにつれ悪化することがこれまでの活動結果等からも分かっており、今後も高齢化が進むにつれ適正体重を維持している者の割合は低下する恐れがある。
MHP21ステージⅢでは、健康調査導入年であり過去最良の値であった73%以上を目標値として活動展開を行う。 - 運動習慣について
適度な運動は、生活習慣病予防に加え、メンタルヘルスや生活の質の改善にも効果が認められている。しかしながら、交通機関の発達、家事や仕事の自動化など、高度に機械化された現代社会において身体活動量はますます低下しており、肥満の原因にもなっている。
MHP21ステージⅢでは、健康日本21の目標値である39%以上(現在は34%以上)を目標値として活動展開を行う。 - 喫煙について
喫煙が肺がんをはじめとした多くのがんや、虚血性心疾患、脳血管疾患などの多くの疾患の原因となっている。また、近年では、副流煙だけではなく、喫煙後の呼気や衣類に付着した残留たばこ成分による非喫煙者への健康障害も明らかになってきている(3次喫煙=サードハンドスモーク)。
これまで順調に数値が改善してきているものの、前活動では達成することができなかった20%以下を目標値として、MHP21ステージⅢの活動展開を行う。 - 歯の手入れについて
歯の手入れをすることは、う蝕や歯周病などの口の中の病気を予防し、将来的に多くの歯を残すだけではなく、生活習慣病予防や全身の健康維持にも影響することが分かってきている。 歯科関連疾患(う蝕、歯周病等)の医療費は、健保の保険給付費の約20%を占めており、医療費削減の最大の課題である。また、歯の健康を維持することは、生活習慣病医療費の抑制にも繋がっている。
MHP21ステージⅢでは、これまでの健康調査結果から達成可能な目標値として、1日3回以上の手入れをする人の割合を25%以上として活動展開を行う。 - 睡眠について
MHP21ステージⅢより新たに目標指標に加えた睡眠は、心身の健康のために必要不可欠なものであり、良質な睡眠は心身の健康増進や労働生産性向上に繋がっており、メンタル不調の予防となる。
MHP21ステージⅢでは、健康日本21の目標値に合わせ睡眠による休養が取れている者の割合を85%以上として活動展開を行う。
事業所独自目標
全体共通目標に加え、事業所の実態に応じ事業所独自目標を設定する。
- ※全体推進組織事務局(健保組合等)から提供される情報(健康レポート等)や事業所が有する定期健診結果等の情報を活用して、事業所推進委員会(安全衛生委員会)にて決定する。
個人目標
上記に加え、個人毎に独自目標を設定する。
これまでの具体的取り組み
- 三菱電機グループ健康大会(2002/6/6、2007/4/16、2012/7/4、2017/5/30)
- MHP21ポスターの配布
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 - MHP21健康カードの配布
12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 目標達成者(人) 20,711 25,392 27,733 26,216 28,667 31,165 33,565 35,263 32,894 - 各種キャンペーンの実施
目標達成者(人) 12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 毎日体重を
計ろうキャンペーン17,853 20,702 21,883 26,016 30,254 31,237 34,911 37,524 39,634 歯の健康づくり
キャンペーン(※)4,826 5,876 5,843 7,133 7,064 11,906 14,397 17,035 19,078 ウォーキング
キャンペーン― 3,267 6,270 4,775 5,639 7,178 8,698 8,967 8,344 - ※2016年度までは「歯の優良者表彰」、2017年度以降は「1日3回歯の手入れをしようキャンペーン」
- 歯の手入れグッズの配布
- 健康レポートの発行
- スポーツクラブ費用補助
- MHP21 推進リーダーの育成
- 心とからだの健康相談サービス